■ご挨拶 |
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会長:石松丈佳
薫風、青葉若葉の香る初夏の風が感じられる季節となりました。会員の皆様におかれましては、ますますご清祥の事と拝察致します。
新年度より会長職を拝命することになりました名古屋工業大学の石松丈佳です。精緻にかつ計画的に会の発展を導いてこられた後藤雅宣前会長に比すれば、私は無計画、無力の極みで、この重責はあまりにも重く感じております。しかしながら、新年度理事会の方々に協力を賜り、また会員の皆様のご助力を頂きながら、学会運営が滞りなく進行しますよう努力する所存です。何卒宜しくお願い申し上げます。
年度のスタートにあたり一言ご挨拶を申し上げます。
本学会の創設者、朝倉直巳先生は、「基礎」とは、縦割り型の各専門科学に「共通して存在する基礎的で重要な課題を研究したり教授すること*」と述べられています。現代において、造形やデザインの分野においても表現は多様になり、専門的であることを求められている状況を見るにつけ、改めて共通して存在する大切なものを見通す眼差しの重要性を感じずにはいられません。林立する杭が専門分野であるなら、しっかりと支え分野を成立させている土台が「基礎」なのかとも思います。造形における各専門分野の杭の間を埋め,安定させる役割を本学会は果たしている、つまり存在意義なのかもしれません。そのように考えるならば、各大会での会員の方々の交流や、アジア基礎造形学会における国際的な交流はまさにその実践なのだと思います。本年も国内外各所で研究発表大会が開催予定です。5月下旬には、KSBDA 2025韓国基礎造形学会春季国際学術大会及び国際展がソウル科学技術大学校で、また9月下旬には2025年アジア基礎造形学会広州大会が中国広州美術学院昌崗キャンパスで開催されます。さらに今年の第36回日本基礎造形学会大会は、四国地区初開催の香川県高松市での開催です。開催を決定して頂き、着々と準備を進めて頂いている実行委員会のご尽力に心より御礼を申し上げるとともに、会員の皆様の大会への積極的なご参加をお願い申し上げる次第です。
こうした会員の皆様、国内外関係各所との連携に取り組み、更なる会の拡大、質の向上に努めて参る所存です。改めて何卒ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。
* 朝倉直巳,基礎造形としての構成,デザイン学研究,1983巻 43号 pp.15−26
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